No.42 川浦山御用木御伐出絵図
かわうらやまごようぼくおきりだしえず
番号 | No.42 |
---|---|
登録年度 | 2020年度 |
認定対象 | 川浦山御用木御伐出絵図 |
分類・形式 | 資料群 |
成立年代 | 1834(天保5)年 |
所在地 | 群馬県高崎市倉渕町川浦及び高崎市役所 |
所有・管理者 | 個人(原本所有者)、高崎市役所文化財保護課(複製品所有者) |
川浦山御用木御伐出絵図は、幅約30cm、長さ約10mの色彩画の長巻絵図である。江戸城再建のため、天保5(1834)年からの用材供出という一大事業において、川浦山御林(幕府直轄林)でのケヤキ大木の伐採から河川利用(烏川)による搬出という一連の流れが詳細に記録された資料である。伐採事業を監督指揮する「御会所(ごかいしょ)」、「伐木」、「造材」、「材木つりおろし」、「桟手(さで)による搬出」、 「堰出し」 「管流し(くだながし) 」などの情景が、彩色豊かにかつ丁寧に描き込まれており、当時の状況を克明に伝える作品である。烏川に流された用材はその後、群馬県高崎市新町に送られ、そこから筏に組んで利根川を経由して江戸まで運搬された。
なお、絵図は高崎市指定重要文化財に指定されており、複製品が作成され、高崎市教育委員会文化財保護課で保管されている。
広葉樹の巨木の伐採から河川を利用した木材運搬までが描かれており、近世幕藩体制における林業の様子を伝える貴重な資料であり、林業遺産として相応しいと判断された。