No.26 旧帝室林野局木曽支局庁舎および収蔵資料群

きゅうていしつりんやきょくきそしきょくちょうしゃおよびしゅうぞうしりょうぐん

番号 No.26
登録年度 2017年度
認定対象 建造物1棟(木造2階建、モルタル塗、寄棟造、長尺カラー鋼板葺、建486.31m2/延868.75m2、39.1m×12.7m)および資料群
分類・形式 建造物、資料群
成立年代 昭和2(1927)年(建造物)、明治期〜昭和初期(資料群)
所在地 長野県木曽郡木曽町福島5471-1
所有・管理者 木曽町

旧帝室林野局木曽支局庁舎は、皇室財産であった木曽谷一円の御料林を管理した行政機関のかつての庁舎である。昭和2(1927)年に最初の庁舎が大火で焼失したため、同年、帝室林野局が威信をかけて再建したものである。

宮内省内匠寮による設計で、当時最先端の装飾美術であったアール・デコ様式の建築意匠が随所に見られる。外観的には、三方にアーチを持つ玄関の車寄せや屋根中央の八角の塔屋が特徴となっており、全体的には装飾を控えた左右対称のシンプルな形態であるが、品格を備えている。

木曽町が、地域振興の活動拠点などの目的で、中部森林管理局から平成22(2010)年に有償で取得し、新築時の図面等に基づいて改修復元工事を行った。現在は一般公開され、「御料館」の愛称で親しまれている。

庁舎内に展示されている明治初期作成の木曽谷模型や、御料林時代の道具類、写真・絵葉書、建設当初の庁舎の部品なども、近代の林野行政史を物語る貴重な資料である。これらを、林業遺産にすでに選定されている「木曽森林鉄道」、「旧木曽山林学校にかかわる林業教育資料ならびに演習林」、「木曽式伐木運材図会」に加えることで地域全体としての価値が高まることも期待したい。

 

シリーズ林業遺産紀行:旧帝室林野局木曽支局庁舎および収蔵資料群

  • 旧帝室林野局木曽支局庁舎全景

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