No.30 進徳の森と中村弥六の関連資料群
しんとくのもりとなかむらやろくのかんれんしりょうぐん
番号 | No.30 |
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登録年度 | 2017年度 |
認定対象 | 【資料群】高遠町図書館所蔵の中村弥六関連資料群 【林業記念地】峰山寺「進徳の森」 |
分類・形式 | 資料群、林業記念地 |
成立年代 | 明治期〜大正期 |
所在地 | 長野県伊那市高遠町 |
中村弥六は、日本初の林学博士を授与され、森林法の制定や林業教育の整備などで尽力したことから、近代林学の父と呼ばれるが、その功績があまり知られていない。出身地の伊那市高遠町には、中村弥六の父中村元起が師範として活躍した藩校「進徳館」があり、関係資料が高遠町図書館に保管されている。さらに、中村弥六の活動については、関係資料を整理し、高遠町図書館発行の図書として林業関係も含めてまとめている。
「進徳の森」は、中村弥六が私費を投じて土地を購入し、当時珍しかった外国産樹種の苗を農林省林業試験場から移植して整備した森で、高遠町中心部の東にある峰山寺の裏山に残る。昭和35(1960)年に遺族から寄贈された高遠町が「進徳の森」と名付け、一般向けに公開している。
現在、高遠町図書館では、「進徳の森」を散策したのち、関係資料を図書館で確認するイベントを開催するなど、地域の偉人である中村弥六の遺産を保全、活用する動きが始められている。伊那市でも「進徳の森」に設置されていた案内板や樹名板の再整備を行った。近代林学の父である中村弥六の事績について、「進徳の森」と、高遠町図書館に残された書籍群を林業遺産として選定することで保全と活用に向けた足がかりとしたい。