No.44 坪毛沢ヒバ木製治山堰堤群
つぼけさわひばもくせいちさんえんていぐん
番号 | No.44 |
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登録年度 | 2020年度 |
認定対象 | ヒバ木製治山堰堤11基 |
分類・形式 | 建造物 |
成立年代 | 1916年(大正6年)及び1953年(昭和28年)~1958年(昭和33年) |
所在地 | 青森県五所川原市飯詰 飯詰山国有林内坪毛沢 |
所有・管理者 | 林野庁東北森林管理局計画保全部治山課 |
坪毛沢ヒバ木製治山堰堤群は、豪雨による山腹崩壊によって、下流部の被害が多発していた坪毛沢流域における治山事業で設置されたものである。治山堰堤は、下流域への土砂流出を抑止するためのものであり、山腹の崩壊及び不安定土砂を堰堤上部に堆積させ、渓岸や渓床を固定し、勾配を安定させることを目的としたものである。建設当時は、流域への資材搬入のアクセスが悪く、また硬い石材など必要な材料を現地調達できなかったため、現地のヒバ被害木を用いて、1916年に5基の堰堤が設置され、1953-1958年には6基の堰堤が設置された。
施工から100年ないし60年以上経過し、一部流亡したものや、部分的な残存にとどまるものもあるが、ヒバ製の木堰堤群は、治山堰堤としての機能を十分に果たしている。近年の林業土木施設の木材利用が推進される中において、林野庁の「木製治山構造物技術指針」策定の際の参考材料となるなど、木製土木構造物の耐久性を検討する上で貴重な存在となっている。現地調達木材による治山堰堤群であり、近代の技術を物語る貴重な遺産であるのみならず、林業遺産として相応しいと判断された。