第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

林政部門[Forest Policy]

日付 2023年3月27日
開始時刻 9:15
会場名 Room 1
講演番号 A7
発表題目 宮崎県諸塚村におけるクヌギ人工林経営の現状と課題
Current Status and Issues of Kunugi plantation management in Morotsuka, Miyazaki prefecture.
要旨本文 九州山地に位置する宮崎県諸塚村では原木シイタケの栽培に使用するクヌギの人工林経営が活発に行われてきた。クヌギ人工林は世界農業遺産においても評価されたモザイク林相を形成する重要な要素でもある。しかし、原木シイタケ生産が縮小を続けてきた中でクヌギ人工林経営の将来像は不透明である。本研究では聞き取り調査や収益性の分析を行い、諸塚村におけるクヌギ人工林経営の現状と課題を明らかにすることを目的とした。聞き取り調査を諸塚村役場、森林組合等に行ったほか、資源量等の統計データを得た。クヌギの造林実績は平成に入り急激に減少していき、スギへと置き換えられた。その結果、資源構成は原木栽培に適している若齢林が少なく、高齢林で多いことが分かった。今後も造林面積が低迷を続けば原木に利用する若齢資源の確保ができなくなると考えられる。収益性では25年伐期のクヌギ人工林経営の内部収益率を求めると、一般の造林補助金を使った場合2.6%だが今年度から村が設けた補助金を使えば7.4%とかなり高い収益性が見込めた。今後、補助金を活用しクヌギ造林が活発化するかを見極める必要があると同時に大径化していく資源の活用を考えていく必要がある。
著者氏名 ○杉本拓生1 ・ 藤掛一郎2
著者所属 1宮崎大学大学院農学研究科 ・ 2宮崎大学農学部
キーワード クヌギ, 人工林経営, シイタケ生産
Key word Sawtooth Oak, Plantation management, Shiitake mushroom production