第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]

日付 2023年3月26日
開始時刻 15:45
会場名 Room 1
講演番号 F11
発表題目 低温貯蔵したスギコンテナ苗の植栽までの温度変化と活着率
Temperature change from thawing to planting of frozen-stored Cryptomeria japonica container seedlings and survival rate
要旨本文  コンテナ苗の周年供給、出荷作業の分散等をはかるため、スギコンテナ苗の低温貯蔵を試みるとともに、貯蔵庫から輸送し植栽するまでの温度変化と植栽後活着率を調査した。材料として関東育種基本区のスギ第二世代候補木の種子から育成したコンテナ苗を使用した。2022年2月22日にコンテナから抜き取り、乾燥防止のためビニール袋に包んだ上で段ボール箱に密封し、室温を−2℃に設定して貯蔵した。約7ヶ月後の10月4日に段ボールから取り出し、苗木貯蔵箱に入れて植栽地まで輸送した。貯蔵庫から出して植栽するまでの日数は10日間であった。温度変化としては、貯蔵庫から出した直後の2日間が最も高く、最高気温が25.8℃であり、その後は13.8〜22.1℃で推移した。植栽時の状態は良好で、乾燥や冷凍による障害は認められなかった。10月14日に植栽し、11月28-29日に活着調査を行った結果、67本中66本が活着した。このことから、約7ヶ月の低温貯蔵、秋季10日間の輸送中の温度変化を経た苗木について、活着調査時点では障害が出ていないと考えられた。なお、本研究の一部は、農林水産省委託プロジェクト「成長に優れた苗木を活用した施業モデルの開発」の支援を受けて行われた。
著者氏名 ○大平峰子1 ・ 袴田哲司2 ・ 木村恵1 ・ 山野邉太郎1
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター ・ 2静岡県農林技術研究所森林・林業研究センター
キーワード 生存, 解凍期間, 冷凍保存
Key word survival, thawing regime, frozen storage