第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付 2023年3月27日
開始時刻 14:30
会場名 Room 7
講演番号 H2
発表題目 日本国内の森林の地上部バイオマスと気候条件、樹木機能形質の関係
Relationship of aboveground biomass with climatic conditions and functional traits of trees across forests in Japan
要旨本文 森林は炭素を貯蓄・隔離する機能をもち、森林による炭素貯蓄量の増加は気候変動の緩和につながる。本研究では、炭素貯蓄量の多い森林の特徴を解明するために、森林の地上部バイオマス(AGB)を気候条件と樹木の機能形質から予測するモデルを構築した。モニタリングサイト1000に登録されている天然林51サイトを対象にAGBと気候条件(気温、降水量、乾燥度指数)、樹木の機能形質(葉面積当たりの乾燥重量(LMA)、材密度)の群集平均値、針葉樹優占度の関係を解析した。AGBは気温、降水量、乾燥度指数、LMAの群集平均値と正に、材密度の群集平均値、針葉樹優占度と負に相関した。説明変数の中で、LMAの群集平均値はAGBと最も強く相関した(r2 = 0.46)。重回帰分析とモデル選択の結果、AGBに対する気温とLMAの群集平均値の正の寄与と、材密度の群集平均値の負の寄与が選択された。AGBと材密度の群集平均値の負の相関は、針葉樹優占度の高い森林ではAGBが高く、材密度の群集平均値が低いことに起因した。本発表では針葉樹優占度に応じて場合分けして解析した結果も紹介する。
著者氏名 ○梶野浩史1 ・ 小黒芳生2 ・ 黒川紘子2 ・ 小野田雄介3 ・ 饗庭正寛4 ・ 彦坂幸毅1
著者所属 1東北大学大学院生命科学研究科 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林植生研究領域 ・ 3京都大学大学院農学研究科 ・ 4総合地球環境学研究所
キーワード 炭素蓄積, LMA, 材密度, 乾燥度指数, モニタリングサイト1000
Key word carbon accumulation, leaf mass per area, wood density, aridity index, Monitoring Sites 1000