第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

利用部門[Forest Engineering]

日付 2023年3月27日
開始時刻 11:00
会場名 Room 6
講演番号 K8
発表題目 スギ人工林をバイオマス生産用早生樹林に転換する際の温室効果ガス収支
Greenhouse gas balance for converting cedar plantation forests to fast-growing forests for biomass production
要旨本文 早生樹の導入など,多様な木質バイオマス燃料利用が国際的に進む中,近年,カーボンニュートラルを前提とした森林バイオマスの燃料利用は,一時的な二酸化炭素濃度の上昇を考慮しないことから,結果的に今世紀中の地球温暖化を加速させるリスクがあることが指摘されている。しかし,日本において,このリスクを評価した上で,新規木質バイオマス燃料利用の温室効果ガス (GHG)排出を評価した研究はない。したがって,本研究では、林齢55年のスギ・ヒノキ人工林をユーカリ林に転換し、木質バイオマスを生産する際のGHG収支を明らかにすることを目的とした。本研究では,スギ・ヒノキ人工林のバイオマスに由来する二酸化炭素は全てGHG排出として考慮した。それに対し,ユーカリ林の造成は新規植林とみなし,森林の炭素固定を評価した。各工程からの化石燃料等のGHG排出はライフサイクルアセスメントを用いて定量化した。また、鉄やコンクリート、化石燃料からの代替によるGHG削減量も検討した。その結果,スギ・ヒノキ人工林の木材利用とユーカリ林による木質バイオマス生産を組み合わせ,55年間の評価範囲で評価した場合,化石燃料等に対するGHG排出削減効果を確認できた。
著者氏名 ○佐藤惟生1 ・ 戸田浩人2 ・ 浅田隆之2 ・ 吉田智弘3 ・ 加用千裕2
著者所属 1東京農工大学大学院農学府 ・ 2東京農工大学大学院農学研究院 ・ 3東京農工大学農学部FSセンター
キーワード バイオマス, 早生樹, ライフサイクルアセスメント, 温室効果ガス排出, 土地利用変化
Key word Biomass, Fast-growing tree, Life cycle assessment, Greenhouse gas emission, Land-use change