第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]

日付 2023年3月27日
開始時刻 14:30
会場名 Room 6
講演番号 L2
発表題目 カシノナガキクイムシの寄主木への飛来方向を探る
Direction of approach by the ambrosia beetle Platypus quercivorus to their host tree
要旨本文  カシノナガキクイムシは、寄主木の葉からの揮発性物質に誘引されていることが室内実験で示唆されているので、野外では寄主木の樹冠を通り抜けて、穿孔部位である樹幹地際部に到達している可能性がある。その場合、集中加害時に樹冠内にトラップを仕掛ければ、少ないながらもカシノナガキクイムシが樹冠上部でも捕獲されると思われる。これを確かめるため、ナラ枯れ被害が発生している兵庫県の三木山森林公園内の二次林で調査を行った。2022年7月から10月にかけて、8本の未被害のコナラの樹幹地際部に粘着トラップを、主幹近辺(平均距離1m)の地上高1~9mに2m毎に衝突板トラップを設置した。約1週間毎に捕獲数を計数し、衝突板トラップでの捕獲数に影響する要因を解析した。その結果、地際への着地数が多い時期に衝突板トラップでの捕獲確率は高く、捕獲数は多くなっていた。1~9mのどの高さでもカシノナガキクイムシは捕獲され、低くなるほど捕獲確率は高く、主幹に近づくほど捕獲数は多くなっていた。上部の樹幹遠方から下部の樹幹近傍に向けて捕獲数が多くなっており、カシノナガキクイムシが上から集まってきていることが示唆された。
著者氏名 ○山崎理正1 ・ 辰巳賢史郎1 ・ 伊東康人2
著者所属 1京都大学大学院農学研究科 ・ 2兵庫県農林水産技術総合センター森林林業技術センター
キーワード ナラ枯れ, コナラ, 衝突板トラップ
Key word Japanese oak wilt, Quercus serrata, Flight interception trap