第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 ポスター発表
講演番号 P-094
発表題目 シラカンバ植栽木の生残と成長に対する地表処理の影響
Effects of soil treatments on survival and growth of planted birch trees
要旨本文  カンバ類の天然更新を企図した低コスト再造林手法の一つとして地掻きがある。地掻きではササ根系除去のために表層を削剥することから、その後の更新木の成長に悪影響を与える可能性がある。そこで、地掻き、地掻きした後に表土を戻す表土戻し、ササを除去せず稈を左右に寝かせ被陰をなくしたササ分け、対照の4種の処理区にシラカンバを植栽し、4年半の生残と成長を調べた。また、植栽初年の冬に雪による折れ曲がり、その後、断続的なシカ食害があったため、それらの影響も調べた。ササ原に20個のコドラート(2×2 m)設定し、その中を田の字に分割して4種の処理区を割り振り、シラカンバ稚樹を植えた。2016年春の植栽時、それ以降は毎秋に幹長と地際径を測定した。また、環境要因と葉特性も調べた。その結果、シラカンバの成長は地掻き区では低下したがササ分け区では低下しなかった。シラカンバとササの競合は主に光を巡って生じていると示唆された。また、シカの食害による成長低下の影響が著しかった。一方、シラカンバの成長に対する雪害の影響は軽微だった。地掻きはシラカンバの定着を促進するが、その後の成長には悪影響があると考えられる。
著者氏名 ○橋本徹1 ・ 伊藤江利子2 ・ 相澤州平3 ・ 石橋聰1
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所関西支所 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所立地環境研究領域
キーワード シラカンバ, 地表処理, 地掻き, シカ, ササ
Key word Japanese white birch, soil treatment, soil scarification, deer, Sasa