第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 ポスター発表
講演番号 P-099
発表題目 九州産スギ品種の窒素利用の可塑性と撹乱に対する肥大成長の応答
Plasticity in nitrogen use of Cryptomeria japonica cultivars in Kyushu and their radial growth response to disturbance
要旨本文 スギ品種の生育に遺伝子型と表現型可塑性が及ぼす影響を評価するために,九州大学,宮崎大学,鹿児島大学,愛媛大学演習林の5つのサイト(粕屋,田野,椎葉,高隈,米野々)に共通実験圃場が設定されている。本報告ではクモトオシ,ヤイチ,オビアカ,ヤブクグリ,メアサ,アヤスギの植栽後45年での調査結果から,撹乱等による林分構造の変化に対する肥大成長の変化と窒素利用効率などの形質との関係を検討した。樹高成長が大きい早生型のクモトオシとヤイチはリリース(肥大成長の急激な増加)の頻度が大きく,中生型のオビアカとヤブクグリはリリースの最大値が大きい傾向があった。樹高成長の小さい晩生型のメアサとアヤスギはリリースのサイズ,頻度とも小さかった。早生型のクモトオシ,ヤイチの大きな樹高成長には生葉の窒素濃度が高いこと,光環境の変化への反応感度が高いことが寄与していると考えられた。一方,晩生型のメアサ,アヤスギは窒素利用効率が高く,樹高成長と窒素利用効率の間にはトレードオフ関係が示唆された。中生型のオビスギとヤブクグリはSMA(面積あたりのシュート重量)や窒素利用効率などの形質の可塑性が大きかった。
著者氏名 ○榎木勉1 ・ Uchiyama, Christmas5 ・ 高木正博2 ・ 鵜川信3 ・ 鍋嶋絵里4 ・ 石井弘明5
著者所属 1九州大学農学部附属北海道演習林 ・ 2宮崎大学農学部附属フィールド科学教育研究センター田野フィールド ・ 3鹿児島大学農学部 ・ 4愛媛大学農学部 ・ 5神戸大学農学部
キーワード スギ品種, 窒素利用, 可塑性, 年輪, 間伐
Key word Cryptomeria japonica cultivar, nitrogen use, plasticity, tree ring, thinning