第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 ポスター発表
講演番号 P-130
発表題目 ヒノキ人工林皆伐跡地における天然更新の阻害要因の検討(第2報)
Inhibiting factors of natural regeneration after clearcutting of a Japanese cypress forest (Ⅱ)
要旨本文 針葉樹人工林跡地において高木性種による天然更新が成功する条件を検討するため、約50年生ヒノキ林(岐阜県郡上市)の皆伐と下層木の刈り払い後、12成長期間の木本類の動態を調査した。6成長期後では低木性種のシロモジとヒサカキが優占し、競合種として高木性種の成長に影響する可能性を確認した(第1報 2017)。12成長期後の調査地(400m2)には、タムシバ、アオハダ、アカマツ等11種の高木性種が生育し、個体数2,325本/ha(全体の18%)、樹幹数3,100本/ha(同7%)、樹高約2~6m(最大:コシアブラ5.86m)であった。胸高断面積合計(BA)は全体で9.95m2/ha(1報の2.5倍)で、内訳は高木性1.49m2(全体の15%)、小高木性1.39m2(14%)、低木性7.06m2(71%)であり、高木性種の優占度は低かった。反面、全体のBAのうち70%をシロモジとヒサカキが占め依然としてこの2種が優占していた。高木性種のうち上層(林冠)に位置する樹幹は1,100本/ha(高木性のうち35%)、BAは1.13m2/ha(同76%)あり今後も成長が期待できるが、中下層に位置する分(樹幹65%、BA24%分)は競合種の被圧下にあった。中下層の高木性個体の成長を確保し確実に更新を図るためには、競合種の除去(刈り出し)が必要であると考えられる。
著者氏名 ○久田善純 ・ 渡邉仁志 ・ 宇敷京介
著者所属 岐阜県森林研究所
キーワード 人工林, 皆伐, 天然更新, 広葉樹, 低木性種
Key word planted forest, clearcutting, natural regeneration, broad-leaved tree, shrub species