第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 ポスター発表
講演番号 P-140
発表題目 異なる下刈りスケジュール下のスギ苗木の樹冠形状の系統間比較
Comparison of crown shape among sugi cultivars under different weeding schedules
要旨本文  近年、再造林コストの削減を目的とした下刈り回数の削減が課題となっている。そのような中、優れた初期成長を示す特定母樹系統の苗木を導入し、下刈り回数を削減する試みがなされている。また、スギは品種によって樹冠の形状が異なることが知られており、細い樹冠形の系統ほど被圧による樹冠発達阻害の影響が小さいことが想定される。しかし、系統や下刈り回数の違いが樹冠形に及ぼす影響を研究した事例は少なく、それらの影響は十分に明らかでない。本研究では、下刈り回数の削減および苗木の系統が樹冠形に及ぼす影響を明らかにするため、特定母樹系統を含む苗木を植栽した林地に3種の下刈りスケジュールの試験区を設け、調査を行った。本研究では主に植栽4年目の樹冠幅、枝下高、樹高のデータを用いて、解析を行った。その結果、すべての系統の樹冠幅、樹冠長は下刈り省略区で小さくなった。一方で、樹冠形状比(樹冠長/樹冠幅)は系統間で差はあったが、下刈りスケジュール間での差はなかった。これらの結果から、樹冠形は特定母樹系統を含む系統間で異なることと下刈りの省略は樹冠形に影響を与えず、樹冠の大きさを低下させることが示唆された。
著者氏名 ○山岸極1 ・ 伊藤哲2 ・ 山川博美1 ・ 溝口拓朗3 ・ 平田令子2
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所九州支所 ・ 2宮崎大学農学部 ・ 3宮崎大学大学院農学工学総合研究科
キーワード 低コスト再造林, 特定母樹, 樹冠幅, 樹冠長, 若齢人工林
Key word low-cost reforestation, specified mother tree origin, crown width, crown length, young plantation