講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付	ポスター発表
講演番号	P-141
発表題目	スギ植栽木の枝分布と被陰樹冠の光合成を考慮した競合植生の被圧効果の定量 Evaluation of suppression effects based on branch distribution and photosynthetic of suppressed canopy of sugi saplings
要旨本文	主伐・再造林が活発化する中、下刈りコストの削減は喫緊の課題となっている。これまで、下刈り要否の判定基準として植栽木と競合植物の高さ方向の競合状態の指標が提案され、多くの研究事例で活用されてきた。しかしこの指標は、植栽木の葉量が本来最も多い樹冠下部への被圧を適切に評価できていない。競合植物による被圧の経年的な効果を把握・予測するためには、樹冠下部の被圧を受けた葉群による光合成生産や、樹冠発達（とくに側方への拡大）の被圧による抑制などを定量的に評価する必要がある。そこで本研究では、これらを考慮した被圧効果の定量を試みた。九州森林管理局の管轄する試験地および宮崎大学農学部附属田野フィールドの、スギ挿し木コンテナ苗の植栽後4~6年が経過した試験地において、植栽木の枝量分布、樹冠長、樹冠幅、成長量、および周囲植物との競合状態を計測した。枝量の実測値を用いて、樹冠長・幅から葉群の垂直分布を表現するモデルを作成し、このモデルを用いて、被圧を受けていない上部樹冠と被圧を受けた下部樹冠の枝量に応じて植栽木の期間成長量を案分する解析を試行したので、その結果を報告する。
著者氏名	○伊藤哲1 ・ 溝口拓朗2 ・ 山岸極3 ・ 山川博美3 ・ 光田靖1 ・ 平田令子1
著者所属	1宮崎大学農学部 ・ 2宮崎大学大学院農学工学総合研究科 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所九州支所
キーワード	低コスト再造林, 光合成器官, 樹冠形, 競合植生, 形状比
Key word	low-cost reforestation, photosynthetic organ, crown shape, competing vegetation, stem from factor