第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 ポスター発表
講演番号 P-142
発表題目 初期全刈りに後期筋残刈りを組合せた下刈り省力化とスギ植栽木の初期成長
Early growth of Japanese cedar seedlings and the combination of early clean weeding and subsequent strip weeding
要旨本文 下刈り期間の短縮は下刈り省力化に有効である。しかし植栽木の成長はばらつくので,下刈り完了が早いと,劣勢の植栽木は周囲植生との競合に負ける。また下刈り完了時の林冠閉鎖が不十分だと,優勢な植栽木もツル着生等による形質被害にあうリスクが高まる。そこで下刈り期間は慣行の5年のまま,初めの2年間は全面刈りで平均的な植栽木の優占を確立し,その後は筋残刈りで低コストに劣勢植栽木の被圧緩和,ツル着生防止を目指す新しい省下刈り方式を,スギ挿し木コンテナ苗の新植地で試験し,その有効性,ツリーシェルター施工や大苗植栽との組合せ効果を検討した。植栽後4年目,シェルター無施工の標準苗で,本下刈り方式での樹高は,無下刈りの約1.8倍になった。本下刈り方式による樹高成長促進効果は,被圧木でも徒長促進で樹高成長低下が抑えられるシェルター施工木や,もともと被圧を受けにくい大苗では小さくなったものの,シェルターの有無や苗タイプにかかわらず明瞭だった。本方式の下刈りは,植栽木のシカ採食高突破を促進し,シェルター施工時にはその梢端部の食害暴露期間を1年程度に短縮したことから,植栽木へのシカ食害削減上も有効なことが示された。
著者氏名 ○八木貴信
著者所属 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所九州支所
キーワード 下刈り省力化, 天然更新植生, 混交林, ツリーシェルター, 大苗
Key word low-cost weeding, natural vegetation, mixed species forest, tree shelter, large seeding stock