第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 ポスター発表
講演番号 P-149
発表題目 ヒノキ人工林Gap-Sloss試験地の15年後の現況
Fifteen years after Gap-Sloss plot establishment in a Cypress plantation
要旨本文 針葉樹単純人工林に広葉樹を誘導するためにギャップを創出することがある.この場合,ギャップは広葉樹が侵入可能なパッチと捉えられる.パッチの配置デザインについて,「大きくて一つのパッチと小さくて数多くのパッチのどちらが有利か」のSloss問題は基本的な問いだろう.静岡大学農学部天竜演習林に2006年から2007年にかけて,5 m×5 mで100 gaps ha-1 から30m×30 mで2.78 gaps ha-1まで4段階のギャップモザイクによるGap-Sloss試験地を設定して,種子散布と植生発達の15年間の動態を調べた. ギャップ設置後数年間の散布種子密度はトラップあたり3個未満であったが,10年後には粗いモザイクでは10倍以上に増加したのに対して,細かいモザイクでは2~3倍の増加にとどまった.設置14~15年後の稚樹密度は,2.5 m未満の個体の場合10 m×10 mモザイクで最も高く,2.5 m以上の個体の場合粗いモザイクで高かった.散布種子の種組成はモザイクの粗さに依存せず,種子源からの距離に依存した.稚樹の(特に5m以上の)種組成は散布種子と異なった. 散布種子や稚樹個体群の動態を通じて,暖温帯における広葉樹林化のためのギャップデザインの考え方を整理する.
著者氏名 ○水永博己1 ・ 高野翼2 ・ 斎藤亜優2
著者所属 1静岡大学農学部地域フィールド科学教育研究センター ・ 2静岡県
キーワード Gap-Sloss, 暖温帯, 混交林
Key word Gap-Sloss, Warm temperate zone, Mix forest