第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]

日付 ポスター発表
講演番号 P-172
発表題目 遺伝子発現解析からみたスギの越冬
Overwintering gene expression in Japanese cedar
要旨本文 スギ(Cryptomeria japonica)などの多年生の植物は、厳しい冬の環境を生き抜くために「休眠」及び「耐凍性」の獲得が不可欠である。しかし、これらの形質の制御に関わる分子メカニズムはこれまで明らかにされてこなかった。本研究では、スギにおける冬の生命現象に対する理解を深めるため、これらの形質評価を行うとともに、マイクロアレイ法を用いた網羅的な遺伝子発現解析を行った。形質評価の結果、冬期の休眠は12月下旬を境に大きく2つのステージに分類され、耐凍性は11月以降徐々に上昇して1〜2月ごろ最も高くなることを明らかにした。遺伝子発現解析によって休眠ステージや耐凍性と相関を示す遺伝子群を明らかにし、それらの遺伝子群の有する遺伝子機能から樹体内で起きている現象を推定した。また、休眠に関わると推定される遺伝子群の制御に時計遺伝子として知られるGIGANTEAが関わっていることを、遺伝子組換え体を用いた解析で明らかにした。
著者氏名 ○能勢美峰1 ・ 遠藤圭太1 ・ 田村明1 ・ 大平峰子1 ・ 小長谷賢一2 ・ 栗田学1
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林バイオ研究センター
キーワード スギ, 遺伝子発現, 耐凍性, 休眠, フェノロジー
Key word Japanese cedar, gene expression, freezing tolerance, dormancy, phenology