第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]

日付 ポスター発表
講演番号 P-184
発表題目 九州育種基本区のスギ人工交配実生集団における樹冠形状の遺伝性
Heritability of crown characteristics obtained at controlled mating population of Cryptomeria japonica in Kyushu
要旨本文 樹冠径は精英樹の選抜基準の一つであり、「精英樹選抜育種事業実施要領」では、「クローネが狭いこと。枝張数が、スギは45以下、(略)」とされ、幅が狭いことが基準の一つとされた。ここで枝張数とは、個体ごとの樹冠径を胸高直径で補正した値である。個体としての成長を考えた場合は広い樹冠幅を持つ個体が有利であるが、集団としての生産性は狭い樹冠によってより高まる可能性が考えられる。初期において樹冠径の重要性は認識されていたが、その後の遺伝性について解析例は多くはない。本研究では、九州のスギ人工交配実生集団林においてUAVとSfM-MVS技術により樹冠径および樹高を計測し、直接測定した胸高直径と合わせ、その遺伝性を求めた。その結果、樹高および胸高直径の狭義の遺伝率は0.34および0.22だったのに対し、樹冠径では0.22となった。胸高直径と樹冠径の個体値の相関係数は0.73であった。枝張数と同様に、胸高直径で調整した樹冠径の指標を作成しその遺伝率を求めたところ、胸高直径との相関係数は0.00である一方で遺伝率は0.19となり、樹冠の拡がりには幹の直径成長とは独立に遺伝する要素があることが示唆された。
著者氏名 ○武津英太郎1 ・ 倉原雄二2 ・ 松永孝治2 ・ 松下通也1 ・ 平岡裕一郎3
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター九州育種場 ・ 3静岡県立農林環境専門職大学生産環境経営学部
キーワード 林木育種, 樹冠形状, スギ, 遺伝性
Key word forest tree breeding, Crown characteristics, Cryptomeria japonica, heritability