第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]

日付 ポスター発表
講演番号 P-189
発表題目 13Cパルスラベリングを用いたスギ2品種の樹体内炭素配分
Carbon allocation of two clone of Cryptomeria japonicausing 13C pulse labeling
要旨本文 スギは日本に広く分布し様々な系統があるが、その中でも秋に成長を続ける系統と早期に成長を停止する系統があることが知られている。早期に成長を停止する系統は耐凍性を高めるために炭素の配分を調節しているのではないかと考え、秋の光合成産物が個体内でどのように配分されるか検証した。秋も成長を続ける系統として郷台1号、早期に成長を停止する系統として上都賀7号を選び1年生のポット苗を準備した。両系統とも旺盛に成長する8月、上都賀7号の成長速度が低下し始める10月、両系統とも成長が停止する12月の3回、各系統8本ずつ13Cパルスラベリングを行った。ラベリング1週間後と冬(2月)に4本ずつ収穫し、部位ごとに炭素安定同位体比を測定した。さらに頂端(葉)、幹、粗根について、可溶性炭素、デンプン、構造性炭素を分離し炭素安定同位体比を測定した。両系統ともに8月の光合成産物は主に地上部に配分されていたが、10月、12月の光合成産物は地下部へも多くが配分されていた。伸長成長にかかわる頂端への炭素配分は8月よりも10月の光合成の寄与が大きく、郷台1号が上都賀7号に比べ、構造性炭素だけでなく可溶性炭素、デンプンへの配分も多かった。
著者氏名 ○檀浦正子1 ・ 能勢美峰2 ・ 福田有樹2 ・ 三嶋賢太郎2 ・ 松下通也2 ・ 南尊大1 ・ 田邊智子1 ・ Daniel Epron1 ・ 小南裕志3 ・ 高梨聡3 ・ 香川聡3
著者所属 1京都大学大学院農学研究科 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
キーワード 13Cパルスラベリング, スギ, 非構造性炭水化物, 炭素配分
Key word 13C pulse labelling, Cryptomeria japonica, non structure carbon hydrate, carbon allocation