第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]

日付 ポスター発表
会場名 (学生ポスター賞の審査対象)
講演番号 P-200
発表題目 カラマツとグイマツの天然林集団における葉緑体DNA変異
Chloroplast DNA variation in natural populations of Larix kaempferi and L.gmelinii var. japonica
要旨本文 カラマツは本州中央部を中心に分布し、その北限は宮城県の蔵王連峰馬ノ神岳である。一方、ダフリアカラマツの変種であるグイマツは樺太と千島列島南部に分布している。既往研究により、カラマツは南樺太や千島列島、朝鮮半島のダフリアカラマツ(グイマツを含む)に最も近縁であることが示唆されている。本研究では、カラマツとグイマツの天然林集団における葉緑体DNA変異を明らかにすることを目的とした。カラマツは分布全域にわたる15集団から合計97個体、グイマツは北海道内に現地外保存されている樺太と色丹島由来の25個体のDNAを材料とし、両種における葉緑体DNAの種内変異と種間変異を検出するマーカーセット46座のジェノタイピングを行い、ハプロタイプを決定した。その結果、カラマツで17、グイマツで7のハプロタイプが検出されたが、両種間でハプロタイプの共有は見られなかった。カラマツにおける集団内のハプロタイプ多様度は0.737と高かった。カラマツのハプロタイプの地理的分布には明瞭な構造が見られなかったが、馬ノ神岳集団では1つのハプロタイプに固定しており、これは集団の孤立と小集団化に伴う遺伝的浮動によるものであると考えられた。
著者氏名 ○北村颯太1 ・ 石塚航2 ・ 内山憲太郎3 ・ 渡辺洋一4 ・ 戸丸信弘5,1
著者所属 1名古屋大学農学部 ・ 2北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所樹木分子遺伝研究領域 ・ 4千葉大学大学院園芸学研究科 ・ 5名古屋大学大学院生命農学研究科
キーワード 系統地理, 葉緑体ハプロタイプ, 遺伝構造, 分子マーカー, 遺伝的変異
Key word phylogeography, chloroplast haplotype, genetics structure, molecular marker, genetic variation