第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

日付 ポスター発表
講演番号 P-218
発表題目 干潟のマングローブの蒸散特性
Traspiration by estuary mangrove
要旨本文 熱帯から亜熱帯にかけて生育するマングローブは、吸水源が海水又は汽水であることから、淡水を吸水する陸上植物と比べて給水のために強い陰圧を発生させる必要がある。強い陰圧は道管や葉の水分状態に負荷を与え、通水性の低下や葉の防圧の喪失などのストレスを引き起こすことから、マングローブはこれらストレスに対する高い耐性を持つことが知られている。こうした植物が夏の強い日差しと大気乾燥により、光合成に伴う水消費:蒸散が高くなった際、発生した陰圧に耐えて光合成蒸散を維持するのか、それとも陰圧を緩和すべく光合成および蒸散を抑制するのか、について野外で連続的かつ長期に観測した研究例は非常に少ない。本研究では西表島の河口付近に生育するオヒルギを中心とした調査を実施し、蒸散速度と環境指標との関係を調べた。計測には樹液流センサーを使用し、計測指標である熱伝導速度(HPV)を記録した。HPVは大気の乾燥指標である飽差とともに上昇したが、HPV-飽差関係には飽和関係が見られず、飽差の上昇に伴う蒸散の抑制は支持されなかった。
著者氏名 ○宮沢良行
著者所属 九州大学キャンパス計画室
キーワード 蒸散, マングローブ, 樹液流, 水ポテンシャル
Key word transpiration, mangrove, sap flux, water potential