第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

日付 ポスター発表
講演番号 P-239
発表題目 Alストレス環境下で生育したMelaleuca cajuputiの根のペクチン分解能
Pectin degrading activity in roots of Melaleuca cajuputi grown under Al stress
要旨本文 酸性土壌ではAlが植物の根端の細胞壁に吸着されることで根の伸長が阻害される。Alを吸着する細胞壁構成成分であるペクチンは、カチオンを吸着して分子間が架橋されるとゲル化し、細胞壁強度を高める。細胞壁の伸展性は、ペクチン分解酵素によってペクチンが切断されて得られるが、ペクチンにAlが吸着すると、ペクチンの切断が阻害されて伸展性が低下する。本研究では、フトモモ科樹木の過剰Al耐性種Melaleuca cajuputi(Mc)と、感受性種M. bracteata(Mb)のAlを吸着させたペクチンの分解特性について報告する。細胞壁のAl置換容量は、Mcの方が高く、Mbに比べてより多くのAlを細胞壁に吸着することがわかった。このような特性を持った細胞壁を20 mM Al溶液(pH4)に24時間浸してAl型にした後、Mcの粗酵素抽出液中に12時間浸したところ、20 mM Ca溶液(pH4)でCa型にした細胞壁より、遊離するガラクツロン酸(低分子化ペクチン)量が少なく、Mcでも、Alが多量に吸着するとペクチンの分解が阻害されることがわかった。MbのAl型ペクチン分解能と共に、両種のAl-Ca共存型ペクチンの分解能についても解析を進め、両種のペクチン分解能と細胞壁の被分解特性について考察する。
著者氏名 ○山ノ下卓 ・ 則定真利子 ・ 小島克己
著者所属 東京大学大学院農学生命科学研究科附属アジア生物資源環境研究センター
キーワード 過剰Al耐性, 根端, 細胞壁, ゲル化, ポリガラクツロナーゼ
Key word Al tolerance, Root apex, Cell wall, Gelation, Polygalacturonase