第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

日付 ポスター発表
講演番号 P-240
発表題目 アルミニウム耐性樹木ユーカリが含む加水分解性タンニンのLC-MS分析
LC-MS analysis of hydrolyzable tannins in an aluminum-resistant tree Eucalyptus camaldulensis
要旨本文 Eucalyptus camaldulensis(ユーカリ)は、酸性土壌で問題となるアルミニウム過剰害に強い耐性を示す。これまで発表者らは、アルミニウムと結合してアルミニウムを無毒化できる加水分解性タンニン(以下、タンニン)をユーカリから5種類(1,6-digalloylglucose、strictinin、pedunculagin、tellimagrandin I、oenothein B)単離・同定している。本研究では、液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)によってユーカリの根からタンニンをさらに同定することを目的とする。ユーカリの根抽出物を超高速LCで分離した後、四重極飛行時間型(Q-TOF)のMSで検出した。その結果、新たに6種類のタンニン(β-glucogallin、1,2,6-trigalloylglucose、1,2,3,6-tetragalloylglucose、1,2,3,4,6-pentagalloylglucose、casuarictin、tellimagrandin II)を同定した。これらのタンニンも、シロイヌナズナを用いたバイオアッセイでアルミニウム結合能を持つことを確認した。さらに、根に含まれるタンニンをLC-MSによって定量したところ、oenothein Bとpedunculaginが主要なタンニンであり、アルミニウム処理によっていくつかのタンニンの濃度が高くなることが明らかになった。
著者氏名 ○田原恒1 ・ 伊東秀之2 ・ 西口満1
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所樹木分子遺伝研究領域 ・ 2岡山県立大学大学院保健福祉学研究科
キーワード Eucalyptus camaldulensis, 加水分解性タンニン, 液体クロマトグラフィー–質量分析, アルミニウム無毒化, 酸性土壌
Key word Eucalyptus camaldulensis, Hydrolysable tannin, Liquid chromatography-mass spectrometry, Aluminum detoxification, Acid soil