第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

日付 ポスター発表
講演番号 P-241
発表題目 草本モデル植物を用いたユーカリの加水分解性タンニン生合成遺伝子の探索
Exploration of hydrolysable tannin biosynthesis genes in Eucalyptus using herbaceous model plants
要旨本文 酸性土壌では、主にアルミニウム(Al)が植物の根の伸長を阻害する。Al過剰害に対して極めて強い耐性を示すユーカリは、根に加水分解性タンニン(タンニン)を多量に蓄積する。これまでに、タンニンが、ユーカリの根に侵入してきたAlと結合して無毒化することを明らかにした。しかしながら、タンニンは草本モデル植物には蓄積しないため、その代謝機構の解明は遅れている。本研究では、樹木特有の生物機能を活用するため、タンニンの生合成機構を明らかにすることを目的とした。その生合成は、植物に普遍的に存在するシキミ酸経路から分岐する。分岐以降の酵素遺伝子を発現させることで、草本モデル植物でも加水分解性タンニンの生合成機構を再現することが出来ると考えた。ユーカリから単離されているシキミ酸経路から分岐以降の第一段階および第二段階の酵素遺伝子群をベンサミアナタバコ葉で異種発現させた結果、加水分解性タンニンの前駆体であるβ-グルコガリンの蓄積が確認された。今後、第三段階以降のタンニン生合成候補遺伝子を同時に発現させ、代謝産物を測定することで、タンニン生合成機構を明らかにしていく。
著者氏名 ○山溝千尋1 ・ 伊原徳子1 ・ 光田展隆2 ・ 田原恒1
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所樹木分子遺伝研究領域 ・ 2産業技術総合研究所生物プロセス研究部門
キーワード 加水分解性タンニン, 生合成遺伝子, 酸性土壌耐性, 代謝機構
Key word hydrolyzable tannin, biosynthesis genes, acid soil tolerance, metabolic mechanism