第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付 ポスター発表
講演番号 P-246
発表題目 空中写真判読による北八ヶ岳縞枯山と中山における縞枯れ更新パターンの比較
Comparison of wave-regeneration patterns on two mountains in Northern Yatsugatake, based on ariel photo analysis
要旨本文 亜高山帯針葉樹林で見られる縞枯れ林では、風による林冠木の枯死とギャップにおける稚樹の成長が継続的に起こることで林分が維持されていると推察されるが、その長期的な変動については明らかではない。本研究では、台風による風倒など稀に起こる大規模かく乱の影響および長期的な回復過程を明らかにすることを目的に調査を行った。北八ヶ岳縞枯山および八ヶ岳中山の縞枯れ林分を対象として、1947年から2005年にかけて撮影された空中写真の判読による林冠ギャップの位置・面積の推定、および写真測量による数値表層モデルの推定を行い、林冠高の変化について検討した。各調査区における林冠ギャップの面積率は、両地点とも1947年の撮影時では約10%であったが、伊勢湾台風後の1962年の撮影時では縞枯山で約50%、中山で約20%となり、その後減少した。一方、各地点における林冠高の平均値は、縞枯山では1962年に大きく減少しその後2005年までに徐々に増加していたのに対して、中山では変動が小さかった。以上から、縞枯山では伊勢湾台風による大規模かく乱によりサイズ組成が大きく変化し、その回復には長時間を要するものと考えられた。
著者氏名 ○岩本宏二郎1 ・ 鵜川信2 ・ 勝木俊雄3 ・ 福田健二4
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所多摩森林科学園 ・ 2鹿児島大学農学部 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所九州支所 ・ 4東京大学大学院農学生命科学研究科
キーワード 縞枯れ更新, 空中写真, 写真測量
Key word wave regeneration, ariel photographs, photogrammetry