第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付 ポスター発表
講演番号 P-247
発表題目 落葉広葉樹二次林におけるナラ枯れ後の植生および林内環境の経年変化
Long-term change in the forest vegetation and environment of a Japanese deciduous broad-leaf secondary forest
要旨本文  コナラ林などの落葉広葉樹二次林で見られるナラ枯れは、林内の植生や環境に大きな変化をもたらしていると考えられる。本研究では、滋賀県甲賀市にあるコナラ・アベマキ林で、ナラ枯れ後のそれらの変化を継続調査により明らかにすることを目的とした。調査林内のさまざまなサイズのナラ枯れギャップ下に10 m×10 mの調査区を7区画、さらに対照区を2区画、それぞれ2013年に設置した。各調査区内の上層および下層の植生調査を2014、2018、2022年に行った。また、林内環境として、全天写真撮影による開空度の測定、さらに林内相対照度とギャップサイズの測定をあわせて行った。ギャップ面積の変化は調査区によりまちまちであったが、開空度はどの調査区でも2018年から2022年にかけて減少していた。下層植生量は大ギャップ下では多くなったが、2022年には急減したり、ササが増えている場合もあった。上層植生の現存量はナラ枯れ区・対照区とも増えていたが、大ギャップ区では小径木の本数が顕著に増加した。ナラ枯れ後約10年が経過し、とくに大ギャップ下では下層から亜高木層の顕著な成長が見られ、また明るいところを好む樹種も増加した。
著者氏名 ○籠谷泰行 ・ 杉本和奏 ・ 上田哲 ・ 佐々木伸 ・ 小番成将
著者所属 滋賀県立大学環境科学部
キーワード ナラ枯れ, 落葉広葉樹二次林, 植生, 林内環境, 経年変化
Key word oak wilt, deciduous broad-leaf secondary forest, vegetation, forest environment, long-term change