講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付	ポスター発表
講演番号	P-255
発表題目	隠岐諸島におけるヒメコマツの生育状況 Habitat of Pinus parviflora var. parviflora on the Oki Islands
要旨本文	ヒメコマツは日本の暖温帯から冷温帯の山地の尾根部に分布する五葉松の一種である。暖温帯の個体群では絶滅が危惧されている地域もあるが，隠岐諸島（島根県）ではヒメコマツが暖温帯から広く分布している。隠岐諸島では島後島のみに分布し，踏査から6ヶ所の生育地を確認したため，各生育地で各個体の胸高直径，結実の有無，生育地の地形や群落の種組成を調べた。その結果，ヒメコマツは標高180 mから560 mで確認され，多くは岩尾根や崖，岩盤上に生育していた。胸高直径1 cmから70 cmの個体があり，直径2 cm高さ2 mの個体から結実していた。ヒメコマツは特にアカマツおよびクロベと共に生育していた。2 m未満の稚樹は岩盤に多く，大径木は森林の中でもみられた。ヒメコマツの稚樹から大径木までが分布している生育地は岩尾根とそれに続く崩壊斜面であった。定着後に繰り返し撹乱が発生しない場所では大径木に成長して森林の中で点在し，撹乱を繰り返す場所では稚樹が更新して個体群が維持されていると考えられた。
著者氏名	○久保満佐子1 ・ 立花寛奈2 ・ 宇都宮幹人1 ・ 須貝杏子1 ・ 武井郁也3
著者所属	1島根大学生物資源科学部 ・ 2一社隠岐ジオパーク推進機構 ・ 3島根大学大学院生物資源科学研究科
キーワード	隠岐諸島, ヒメコマツ, 北方系針葉樹, 生育立地, ジオパーク
Key word	Oki Islands, Japanese white pine, boreal conifer, habitat, geopark