第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付 ポスター発表
講演番号 P-256
発表題目 温帯老齢林の維管束着生植物の分布に対し宿主木サイズと基質が与える影響
Effects of host tree size and substrate types on the distribution of vascular epiphytes in a old-growth temperate forest
要旨本文 着生植物は宿主木上で非寄生的に生育する植物である。東アジア温帯林は、宿主木のサイズや定着する基質タイプと着生植物の分布に及ぼす影響についての知見が不足している地域の一つである。また当森林では、偶生着生性(地上性の種が着生植物となること。以下、偶生)が頻繁に起こるが、偶生と真正着生植物(樹上にのみ生育する種。以下、真正)それぞれの分布特性は未解明である。 京都府の芦生研究林に生育するカツラ8個体を対象として、2018年から2019年に調査を行った。宿主木個体ごとの着生植物の種数、個体数、さらに各着生植物個体の基質を記録し、基質は、堆積深度に応じて林冠土壌(2㎝以上)、コケ(2㎝未満)、それらに覆われていないものを樹皮とした。 宿主木サイズの増加に伴い、着生植物の種数、個体数が有意に増加し、種組成も変化することが示された。樹木個体別の着生植物多様性に占める偶生の割合は、宿主木サイズの増加に伴って有意に増加した一方、真正の割合は低下した。また真正と偶生間で定着する基質に差が見られ、真正は主としてコケを、偶生は林冠土壌とコケに有意に多くの個体が見られた。
著者氏名 ○駒田夏生1 ・ 東若菜2 ・ 小川裕也2 ・ 龍見史恵3
著者所属 1京都大学大学院人間・環境学研究科 ・ 2神戸大学大学院農学研究科 ・ 3北海道大学大学院農学研究院
キーワード 林冠, 空中土壌, 北東アジア温帯林, 芦生研究林, カツラ
Key word forest canopy, arboreal soil, Northeast Asian temperate forest, Ashiu Experimental Forest, Cercidiphyllum japonicum