第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付 ポスター発表
講演番号 P-260
発表題目 タケ類開花の現況と開花記録の収集:市民参加型調査に向けて
Current status of bamboo flowering and collection of flowering records with citizen involvement
要旨本文 タケ類(イネ科タケ亜科)の生活史において有性繁殖は極めて稀なイベントであり、開花周期や開花習性や更新様式に関する知見は未だ限られる。一方、2010年代から現在にかけて、およそ120年周期とみなされるマダケ属ハチクの大規模開花が生じており、その実態解明の好機を迎えている。予測困難なタケ類の有性繁殖の機会を広域に把握するためには、研究者のみならず多くの市民の協力を得た記録や情報共有が有効な手段の一つになると考えられる。ハチクだけでなくさまざまなタケ種にかかわる有用な情報を蓄積するため、発表者らは Google MapやGoogle Formなどを活用し、市民参加による情報の収集・共有システムを試行した。研究者による現地観察、メディアの報道、SNSや各種アプリに挙げられた記載などに基づいて開花にかかわる情報を2019年から収集した。その結果、現段階で西日本を主とする日本各地から1400件に及ぶ情報を得た。情報の約9割はハチク類の開花であり、タケ類の有性繁殖の理解の基礎をなす情報も含まれた。本発表では、成果の報告にとどまらず、市民の協力によって得られる情報の学術的な活用のあり方や、今後の展望についても議論する。
著者氏名 ○小林慧人1 ・ 久本洋子2 ・ 福島慶太郎3 ・ 鈴木重雄4 ・ 河合洋人5 ・ 小林剛5
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所関西支所 ・ 2東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林千葉演習林 ・ 3福島大学 ・ 4駒澤大学 ・ 5香川大学農学部
キーワード 市民科学, 竹林, 開花, 一斉開花
Key word citizen science, bamboo forest, flowering, mass flowering