第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付 ポスター発表
会場名 (学生ポスター賞の審査対象)
講演番号 P-263
発表題目 種子生産の種間同調はジェネラリスト捕食者による種子の損失を変えるか?
Does species synchrony of seed production alter the loss of viable seeds by generalist predators?
要旨本文 マスティングは多くの樹木種で観察され、度々種間で同調することが知られている。マスティングは種子捕食者の数や捕食行動にも波及するが、その種間同調が捕食者による種子の捕食や散布を介して種子や実生の生存に及ぼす影響についてはわずかな知見しかない。特にジェネラリスト種子食者の視点からは、種間同調性が強く種子の総量が多い年では餌資源が豊富であると考えられる。そのような年は、“おいしい”種子ほど優先的に食べられ、“おいしくない”種子は種間同調の捕食されないメリット(あるいは、散布されないデメリット)を受けるかもしれない。従って、マスティングの影響を多種混交林の群集レベルで考える際には、種間同調の程度と種子の質を検討する必要があるだろう。本研究では、冷温帯多種混交林における11の高木種の24年間の長期データから各年の結実の同調性を評価し、同調度の違いが主要4樹種の種子や実生の生存に及ぼす影響を検討した。種子生産は多くの樹種で同調する年があり、そのような年では各樹種の寄与度は比較的均一だった。これらの結果を踏まえ、種間同調性が森林の種多様性維持に対して与える影響について議論する。
著者氏名 ○本間千夏1 ・ 野口麻穂子2 ・ 星崎和彦3
著者所属 1秋田県立大学大学院生物資源科学研究科 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 3秋田県立大学生物資源科学部
キーワード マスティング, 長期観測, 温帯落葉樹混交林, 種子捕食, 鳥獣による種子選択
Key word masting, long-term monitoring, temperate mixed deciduous forest, seed predation, seed selectivity by vertebrates