第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

立地部門[Forest Environment]

日付 ポスター発表
会場名 (学生ポスター賞の審査対象)
講演番号 P-302
発表題目 大湫神明神社および伊勢神宮のスギ巨木に含まれる硫黄同位体比の変遷
Temporal changes of stable sulfur isotope ratios in tree rings of two giant Cryptomeria japonica
要旨本文 イオウは産業革命以降、地球の循環量が2倍になった元素として、人間活動の影響を色濃く受けていることが指摘されている。イオウ酸化物が大気汚染の原因物質の1つとして各種生態系に降り注ぐと生態系がダメージを受けることも、数多くの研究が明らかにしている。樹木はイオウを根から、あるいは気孔から吸収する。これまで、樹木の年輪に含まれるイオウ濃度やイオウ安定同位体比の分析に基づき、過去のイオウ沈着量や発生源の変遷についての研究が行われているが、1本の樹木から得られる円盤試料で数百年を超える年輪を含む個体は非常に貴重なため、化石燃料が大量に使われるようになる以前の期間を含む長期的な分析の報告は見当たらない。本研究の目的は、中部日本の森林に影響を与えたイオウ源とイオウによる大気汚染を考察することである。この目的のため、2020年の豪雨時に倒壊した岐阜県瑞浪市大湫町の神明神社スギと、2009年の台風により倒壊した三重県伊勢市の伊勢神宮スギという2本の巨樹の年輪を5年ごとに分割し、湿式灰化法により酸分解し、1700年代以降のイオウ濃度とそのδ34S値を分析した。今回はイオウについて特に注目したい年代を8つ選びその結果を報告する。
著者氏名 ○塩出晏弓1 ・ 谷川東子2 ・ 平野恭弘3 ・ 中塚武3 ・ 加藤義和3 ・ 石田卓也4 ・ 佐瀬裕之5
著者所属 1名古屋大学農学部 ・ 2名古屋大学大学院生命農学研究科 ・ 3名古屋大学大学院環境学研究科 ・ 4広島大学大学院先進理工系科学研究科 ・ 5日本環境衛生センターアジア大気汚染研究センター
キーワード 硫黄同位体比, 大気汚染, 年輪, 年輪年代化学
Key word Sulfur isotope, Air pollutin, Tree ring, Dendrochemistry