第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

利用部門[Forest Engineering]

日付 ポスター発表
講演番号 P-374
発表題目 携帯圏外の森林でも使える救助要請システムにステークホルダーが感じた価値
What value stakeholders felt about the emergency call system that can be used outside the cell phone range?
要旨本文 森林地域の通信不感地帯における救助要請システムに対して、地域のステークホルダーが感じた利用価値を検証した。通信手段として、LPWA(Low Power, Wide Area)通信の一種で高出力(250 mW)・双方向・中継機能を備えた、(株)フォレストシー社の独自通信規格であるGEO-WAVEを用いた。岐阜県西濃地域にGEO-WAVEの通信ネットワークを構築し、2021年10月から2022年9月の12ヶ月間、林業従事者と登山者に通信機(子機)を貸与し、利用状況を確認した。通信機(子機)は、システム管理者への救助要請、位置情報のリアルタイム共有、子機間でのチャット機能が可能な状態とした。貸与した人数は、林業事業者が計29名、登山者が計8名、合計37名であった。貸与期間中および終了後、利用者へのヒアリングやアンケートによる調査を行った。調査期間における子機ののべ利用日数は700日以上であった。林業従事者と登山者の双方が、早期救助による事故の低リスク化の可能性に価値を感じていた。また、林業従事者は施業時の携帯性や利便性を、登山者は「自らの能力で困難を克服する」という登山の醍醐味を失わせないための配慮が十分でないことを、今後の課題として挙げた。
著者氏名 ○小池達也1 ・ 森部絢嗣2 ・ 細野光章3
著者所属 1一般社団法人よだか総合研究所 ・ 2岐阜大学社会システム経営学環 ・ 3岐阜大学高等研究院
キーワード LPWA, 圏外, 林業, 評価, ステークホルダー
Key word LPWA, outside the cell phone range, forestry, review, stakeholder