第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]

日付 ポスター発表
講演番号 P-384
発表題目 北八ヶ岳亜高山針葉樹林におけるニホンジカの出現状態と樹木被害との関係
Relationship between the occurrence of Japanese deer and tree damage in a subalpine coniferous forests
要旨本文  長野県中部の北八ヶ岳麦草峠周辺に、センサーカメラを設置してニホンジカの出現状況を調査するとともに、カメラ周辺の立木被害と林床植生との関係を解析した。2019年7月から2022年6月までの3年間の調査で、麦草峠周辺では着葉期の6~10月はほぼ毎日ニホンジカが確認できたが、冬期はニホンジカが確認できなかった。着葉期におけるニホンジカの出現状況と下層植生との関係を調べたところ、林床草本の植被率が高いところでニホンジカの出現率が高く、中でもササ地でより出現率が高い傾向が確認された。一方、北八ヶ岳を代表するコケ型林床の場所では出現率が低かった。とはいえ、ニホンジカの出現率とニホンジカによる剥皮害の発生割合には関係がみられなかった。ニホンジカの剥皮害を分析すると、剥皮されたばかりの新鮮な被害は少なく、カメラの解析でも立木剥皮とみられる写真は1枚にとどまり、過去の被害によると判断できた。これらの結果から、過去には全域で確認できたニホンジカが特定環境にのみで棲息するように変化したものと推定できた。
著者氏名 ○小山泰弘1 ・ 柳澤賢一1 ・ 二本松裕太1 ・ 三澤美菜1 ・ 鈴木智之2 ・ 西村尚之3
著者所属 1長野県林業総合センター ・ 2東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林北海道演習林 ・ 3群馬大学社会情報学部
キーワード センサーカメラ, 林床植生, 立木被害, 滞在時間
Key word Sensor cameras, Forest vegetation, damage to trees, Length of Stay