第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]

日付 ポスター発表
講演番号 P-392
発表題目 アベマキ林で発生したナラ枯れの被害経過 -アベマキとコナラとの比較-
A damage progress of Japanese oak wilt occurred in forest dominated by Quercus variabilis.
要旨本文 カシノナガキクイムシの媒介するブナ科樹木萎凋病気菌によるブナ科樹木の集団枯損(ナラ枯れ)は、2022年現在でほぼ全国に広がっている。ナラ枯れは終息までの経過が地域や発生時期により異なるが、その原因は解明されていない。一方で、ブナ科樹木の樹種間で菌に対する感受性の違いが知られており、この違いが被害終息までの経過に影響している可能性がある。そこで様々な樹種で被害経過を記録しておくことは、今後のこの分野の研究に資すると考える。広島県の釜ヶ峰アベマキ・アカマツ遺伝資源希少個体群保護林には、約140年生のアベマキ林が良好な状態で維持されている。この保護林で2020年にナラ枯れ被害が確認された。このようなアベマキ林での被害の報告は少ないため、希少なアベマキ林の被害経過を記録する目的で調査を行った。また、林内にはアベマキ以外にも少ないながら他のブナ科樹木が生息しており、これらにもナラ枯れが発生していた。そこでアベマキを除き最も個体数が多かったコナラと比較したところ、全体としてアベマキの枯損率はコナラと比べて低く、またアベマキでは胸高直径50cmを超える個体では、枯損率が下がる傾向があった。
著者氏名 ○後藤秀章 ・ 佐藤重穂
著者所属 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所四国支所
キーワード カシノナガキクイムシ, アベマキ, ナラ枯れ
Key word Platypus quercivorus, Quercus variabilis, Japanese oak wilt