第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]

日付 ポスター発表
会場名 (学生ポスター賞の審査対象)
講演番号 P-414
発表題目 果実生産および階層構造が異なる林分間の越冬期の鳥類種多様性の比較
Comparison of winter bird diversity amang forest stands with different fruits production and structural complexity.
要旨本文 鳥類の種多様性は階層構造が複雑な林分で高いことが知られる。一方、鳥類の越冬期には林内の果実が餌資源となり、鳥類の生息状況に影響を与える可能性がある。そこで本研究では階層構造および広葉樹の生育状況が異なる林分間で果実生産量と鳥類の種多様性を比較した。調査は宮崎大学田野演習林のヒノキ複層林1林分とヒノキ単層林4林分、および常緑広葉樹林1林分で行った。2022年10月~2023年2月に各林分の亜高木層以上の樹木を対象に、シードトラップによる果実の捕捉と目視により果実生産量を調べた。2022年12月に各林分で、プロットセンサス法で鳥類の種数と個体数を記録し、多様度指数を算出した。結果、2022年12月までの被食散布型果実(液果等)の生産量は全林分で少なかったが、貯食散布型果実(堅果等)の生産量は林分間で異なった。鳥類の多様度指数は、堅果生産量の多い常緑広葉樹林およびヒノキ単層林1林分で高かった。この2林分ではヤマガラとその他カラ類の混群が林内をよく利用し、堅果を摂食している様子も観察された。したがって、越冬期における鳥類の種多様度には、階層構造だけではなく林内の堅果生産も一つの影響要因となっていることが示された。
著者氏名 ○西鈴音1 ・ 平田令子2 ・ 伊藤哲2
著者所属 1宮崎大学大学院農学研究科 ・ 2宮崎大学農学部
キーワード 鳥類群集, 生物多様性, 複層林, 単層林, シードトラップ
Key word bird communities, biodiversity, multiple-layerd forest, single-layered forest, seed traps