第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

微生物部門[Forest Microbes]

日付 ポスター発表
講演番号 P-427
発表題目 非赤枯性溝腐病の病原菌によるスギ木片の腐朽に及ぼす含水率の影響
Influence of moisture content on decay of sugi woods caused by trunk rot disease pathogen
要旨本文 千葉県のサンブスギに被害が多い非赤枯性溝腐病の被害材を利活用する際に、自然乾燥した木材では病原菌のチャアナタケモドキが一定期間生存しているため、伐木造材後における腐朽の進行が懸念される。そこで、自然乾燥した木材における本菌による腐朽の進行の有無を明らかにするため、含水率が異なる木片に本菌を接種して腐朽率を調査した。調査では、絶乾させたスギ木片(2cm×3cm×4cm)に異なる量の蒸留水を加えて高圧蒸気滅菌し、含水率を算出するための生重量をクリーンベンチ内で測定後、病原菌チャアナタケモドキを接種した。25℃で4か月間培養した後に生重量及び絶乾重量を測定し、培養前後における絶乾重量の減少率から腐朽率を算出した。なお、木片の含水率は培養前後で変動したため、平均値を用いて解析した。 その結果、含水率が80~160%(乾量基準)の木片で腐朽率が4~8%と高い傾向を示し、80%未満及び160%を超える含水率の木片では腐朽率が低下する傾向が認められた。特に、含水率が20%未満の木片では腐朽率が2%未満と小さかった。このため、自然乾燥により含水率15%程度の気乾状態となった木材では、腐朽の進行がほとんどないと考えられた。
著者氏名 ○岩澤勝巳
著者所属 千葉県農林総合研究センター森林研究所
キーワード 非赤枯性溝腐病, チャアナタケモドキ, 木材腐朽
Key word trunk rot disease, Fomitiporia torreyae, wood decay