第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

微生物部門[Forest Microbes]

日付 ポスター発表
講演番号 P-429
発表題目 スギ林とコナラ林の土壌と樹種の入れ替えが土壌生物群集に与える影響
Effect of exchange of soil and tree species on soil communities in cedar and broad-leaved forests
要旨本文 スギ人工林からコナラを主体とした二次林に転換する際の生育環境の変容を把握するため,樹木の生育を支える土壌生物群集への影響を理解することは重要である.土壌と樹種の組み合わせが地下部の生物群集に及ぼす影響を解明するため,スギとコナラの実生を両種に由来する土壌に植栽したポット試験を行い,両種の根形質,土壌に含まれる微生物量と線虫群集を調べた.土壌細菌と真菌はリアルタイムPCR法で定量した.土壌線虫は形態的差異にもとづき,群集構造と機能群組成を調べた.その結果,由来する土壌に関係なくスギの根バイオマスはコナラのものに比べ有意に高くなった.樹種によらずコナラ土壌ではスギ土壌よりも真菌/細菌比と真菌食性線虫の密度が有意に高くなった.コナラ土壌にスギ実生を生育させた場合,物食性線虫が有意に高くなった.これらの共分散構造解析おいてコナラ土壌へのスギ実生の植栽は植物食性線虫の密度を高め,さらにそれら小型の線虫を餌としている肉食-雑食性線虫の密度を高めた.以上から,土壌と根形質は微生物量や線虫機能群に影響を与え,樹種の転換は微小食物網を改変することが示唆された.
著者氏名 ○北上雄大 ・ 鈴木康平 ・ 松田陽介
著者所属 三重大学大学院生物資源学研究科
キーワード ポット試験, 微生物, 線虫, 顕微鏡観察
Key word Pot experiment, Microbes, Nematodes, Microscopy