第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

微生物部門[Forest Microbes]

日付 ポスター発表
会場名 (学生ポスター賞の審査対象)
講演番号 P-448
発表題目 広葉樹菌根圏領域の違いが根圏バクテリア群集に及ぼす影響
Effects of different broadleaf mycorrhizal rhizosphere regions on rhizosphere bacterial communities.
要旨本文 菌根周辺部は、宿主植物や菌根菌の滲出物による影響を受けた空間であり、菌根圏と呼ばれる。菌根圏内には特異的なバクテリアが存在するが、菌根周辺部だけでなく菌根内部にも存在している。本研究では、菌根圏内に存在するバクテリアに着目し、表面殺菌の有無により菌根内部と菌根表面部(内部含む)の2つの領域からバクテリアを培養し、群集組成に違いが見られるかを調査した。千葉県草深の森において、外生菌根性のコナラから根端を採取した。次亜塩素酸ナトリウム及び過酸化水素で表面殺菌した根端と無処理の根端からバクテリアを培養し、16SrRNA領域のシークエンスを行った。その結果、表面殺菌処理では225コロニー、無処理では312コロニーのサンプルを得た。推定された種を比較すると、表面殺菌処理では2科3属が出現し、Bacillus属が約8割を占めたが、無処理では7科10属が出現し、Paraburkholderia 属やBurkholderia属、Arthrobacter属が優占していた。このことから、菌根内部と菌根表面部ではバクテリアの群集組成が異なることがわかった。また菌根内部には限られた種が存在することが明らかになった。
著者氏名 ○山本航 ・ 田中恵
著者所属 東京農業大学地域環境科学部
キーワード コナラ, 表面殺菌, 外生菌根, 内根圏バクテリア, 根圏バクテリア
Key word quercus serrata, surface sterilization, Ectomycorrhizae, endophytic bacteria, rhizosphere bacteria