第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

微生物部門[Forest Microbes]

日付 ポスター発表
講演番号 P-451
発表題目 クマ剥ぎによるヒノキ被害部の主要腐朽菌と拮抗菌の選別
Decay fungi and antagonistic fungi selection of Chamaecyparis obtusa damaged parts due to bear stripping
要旨本文 クマ剥ぎによる樹木の被害が大きな問題となったが、被害木における腐朽防止のための生物防除法の研究はみられないので、東京大学秩父演習林内のクマ剥ぎ被害1~12年後のヒノキを対象に、腐朽の進行状況と菌叢との関係を明らかにし、拮抗菌の選別を試みた。被害木で低い部位ほど腐朽が進行する傾向があった。菌叢分析では腐朽菌として、被害1年後で主にAmylostereum属菌が、4年後で主にTricholomataceae科の菌が、6年後で主にRectipilus属が、7年後で主にSchizoporaceae科の菌が、8年後でXenasmataceae科の菌が、12年後でSchizoporaceae科の菌が優占し、腐朽が強い部分で腐朽菌の存在量が多い傾向があった。腐朽菌以外はHerpotrichiellaceae科の菌が多くの被害木から検出された。腐朽部から、1年後でAmylostereum属、4年後でXeromphalina属、6年後でXenasmatella属、7年後でPhanerochaete属、8年後でBjerkandera属、12年後でXylodon属といった腐朽菌が分離された。腐朽菌以外で、個体によって様々であったがTrichoderma属などの菌類が多く分離された。その後、腐朽菌と拮抗菌候補を培地上と円板上で対峙培養した結果、3菌株のTrichoderma属菌が腐朽菌に強い拮抗性を持った。
著者氏名 ○戴健平1 ・ 原口竜成2 ・ 平尾聡秀2 ・ 山田利博2
著者所属 1東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林教育研究センター ・ 2東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林秩父演習林
キーワード クマ剥ぎ, ヒノキ, 腐朽菌, 拮抗菌
Key word bear stripping, Chamaecyparis obtusa, decay fungi, antagonistic fungi