第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

特用林産部門[Non-Wood Forest Products]

日付 ポスター発表
講演番号 P-453
発表題目 ウルシ内樹皮からの漆液滲出量の日変動とその要因
daily variation and its contributing factors in the amount of Urushi resin coming out from the inner bark of urushi
要旨本文 漆掻きは、経験的に早朝の漆液滲出量が多く正午頃に滲出量が減少し夕方頃には滲出量の回復が見られることが知られており、主に早朝に行われる。本研究では、ウルシ(Toxicodendron vernicifluum)内樹皮からの漆液滲出量の日変動を実際に測定し、漆掻きの時間の妥当性の検証とともに日変動の理由を気温、地温、樹幹直径を計測し考察した。岡山県真庭市蒜山のウルシ植栽地にて2022年8月15日に調査を行った。樹齢がおよそ20年で胸高直径21.95 - 22.10 cmのウルシ4本を用い、早朝から夕方まで2時間半おきに計6回漆液滲出量を計測したところ、滲出量の日変動が見られた。また採取した漆液を乾燥させ主成分ウルシオールの量を測定したところ同様の日変動が見られた。このことから水分量だけでなく樹脂道からの漆液滲出量が変動していることがわかった。漆液採取量は5時40分が最大で13時10分の最小値の3倍程度あったことから、午後を避け早朝に漆掻きを行うことは妥当だと考えられる。また午前から昼過ぎにかけて漆液滲出量減少に伴い気温と地温の上昇と樹幹直径の減少が見られたことから、滲出量の日変動は樹体内の水分量や蒸散などの水分条件と関連すると考えられる。
著者氏名 ○二社谷悠太1 ・ 檀浦正子2 ・ 藤井黎2
著者所属 1京都大学農学部 ・ 2京都大学大学院農学研究科
キーワード ウルシ, 内樹皮, 日変動
Key word lacquer, inner bark, daily variation