第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T2. 森林の放射能研究[Research on radioactivity in contaminated forest]

日付 ポスター発表
講演番号 P-468
発表題目 福島県におけるスギ・ヒノキ・アカマツ樹幹部の中長期的な137Cs濃度変化
Medium- to Long-term Changes in 137Cs in Ceder, Cypress, and Red-Pine in Fukushima Prefecture
要旨本文 福島第一原子力発電所事故以降,福島県では森林域の放射性セシウムを対象としたモニタリング調査が継続されている。本稿では,2013年度から実施される福島県内の約80箇所における針葉樹(スギ・ヒノキ・アカマツのいずれか)を対象とした立木の放射性セシウム濃度分析や林床のセシウム蓄積量調査の結果について報告する。2013年度以降の各年度において調査箇所ごとに1本の立木を伐倒後,地上1m高から外樹皮,内樹皮,辺材,心材をそれぞれ採取し,ゲルマニウム半導体検出器にて放射性セシウム濃度を分析した。その結果2018年度以降,スギ・ヒノキ・アカマツの内樹皮濃度は樹種によらず辺材濃度の約10倍となる傾向が認められた。また,辺材-心材濃度比の2013~2021年度における推移は樹種によって異なる傾向を示した。スギ・ヒノキでは時間の経過に伴い辺材-心材濃度比が低下(相対的に心材濃度が上昇)する傾向が認められた。スギの濃度比は2014年度に中央値が1を下回り,2017年度以降,約0.5で推移し,ヒノキの濃度比は2021年度にかけて1に収斂する傾向を示した。アカマツの濃度比は概ね中央値が1.2~1.5で推移しており,観測期間中に大きな変化が認められなかった。
著者氏名 ○山村充 ・ 井上美那 ・ 氏家亨 ・ 赤間亮夫
著者所属 国土防災技術株式会社
キーワード 放射性セシウム, 樹幹, スギ, ヒノキ, アカマツ
Key word Radioactive Cesium, trunk, Cryptomeria japonica, Chamaecyparis obtusa, Pinus densiflora