第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T2. 森林の放射能研究[Research on radioactivity in contaminated forest]

日付 ポスター発表
講演番号 P-469
発表題目 樹皮・木材中の137Cs濃度の2011年から2022年にかけての変化傾向
Temporal trends in 137Cs concentrations in the bark and wood from 2011 to 2022
要旨本文 福島原発事故による放射性セシウム(137Cs)の直接汚染を受けた約30〜60年生の林分において、2011年から2022年にかけて樹皮・木材(樹幹木部)中の137Cs濃度のモニタリングを行った。本発表ではスギ3林分・ヒノキ1林分・コナラ2林分の観測・解析の結果を紹介する。観測のための試料は年1回8月頃に各林分3〜6個体から採取し、試料中の137Cs放射能はGe半導体検出器を用いて求めた。137Csの放射性壊変による減少を除くため、減衰補正の基準日は2022年9月1日に揃えた。樹皮中の137Cs濃度は、スギ1林分を除き全ての林分で減少傾向にあり、ここ数年も僅かではあるが減少が続いていた。一方、スギ1林分では全く減少が見られず、そこでは内樹皮中の137Cs濃度が外樹皮と同程度にまで高くなっていた。木材中の137Cs濃度は、多くの林分で事故後5年ほど増加傾向にあったが、その後増加が頭打ちもしくは減少に転じたことが明らかになった。スギ1林分では木材中の137Cs濃度の増加がまだ続いていたが、これは心材直径が大きい個体では心材への137Csの蓄積に時間を要しているためだと考えられた。
著者氏名 ○大橋伸太 ・ 黒田克史 ・ 香川聡 ・ 山下香菜 ・ 杉山真樹 ・ 安部久
著者所属 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
キーワード 福島原発事故, 放射性セシウム, スギ, コナラ
Key word Fukushima nuclear accident, Radiocesium, Japanese cedar, Konara oak