第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T2. 森林の放射能研究[Research on radioactivity in contaminated forest]

日付 ポスター発表
講演番号 P-475
発表題目 震災後10年間における落葉堆肥化にともなう放射性Cs濃度および量の変化
Changes in the concentration and amount of radiocesium in decomposing litter for 10 years after the earthquake
要旨本文 栃木県塩谷町熊ノ木地区のコナラが優占する里山林において,1m×1m,深さ30cmの底の開いた木枠を設置し,2012年から2021年にかけて毎年3月(2012年のみ1月)に林床に堆積している落葉をかき集め,各木枠内に収まるように敷き詰めて有機物分解させた。堆肥化1~2年目は数か月ごと、堆肥化3~5年目は1年ごと分解中の落葉を回収し、重量と放射性Cs (134Cs+137Cs)濃度をガンマカウンターで測定した。林床に堆積している落葉の放射性Cs濃度は2012年から2021年にかけて概ね低下した。堆肥化1年目と2年目の分解中の落葉の放射性Cs濃度は2013年に最大となり、2013年以降は概ね減少した。震災後10年後においても表層土壌からの微生物による放射性Csの取り込みが考えられる。本調査地において、堆肥化1年目と2年目の分解中の落葉の放射性Cs濃度は2015年以降土壌改良資材の暫定基準値400Bq/kg湿重(約1800Bq/kg風乾重と同等)を下回った。2015年の林床に堆積している落葉の放射性Cs濃度は215Bq/kg風乾重であることから、215Bq/kg風乾重以下の林床に堆積している落葉を堆肥化すれば、堆肥化2年目の堆肥は400Bq/kg湿重未満になり、堆肥として使用可能であることが推察された。
著者氏名 ○市川貴大1 ・ 逢沢峰昭2 ・ 大久保達弘2
著者所属 1くまの木里山応援団 ・ 2宇都宮大学農学部
キーワード 落葉, 堆肥, 放射性物質, 里山, 10年
Key word leaf litter, decomposing litter, radiocesium concentration, satoyama, ten years