第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T2. 森林の放射能研究[Research on radioactivity in contaminated forest]

日付 ポスター発表
講演番号 P-476
発表題目 カリウム施肥がヒノキ植栽木の成長とセシウム吸収におよぼす影響
Effect of potassium fertilization on growth and cesium uptake of planted Hinoki trees
要旨本文 カリウム施肥による樹木へのセシウム吸収抑制効果を評価するため、福島県川内村内の水源林造成事業地において3年生ヒノキを2014年に植栽し、カリウム施肥区と無施肥区を各4プロット設けて調査している。植栽4年目(2017年)から施肥区のうち2プロットで施肥を停止(施肥3回区)、8年目(2021年)から残りの2プロットも施肥を停止(施肥7回区)した。ヒノキの平均樹高は、植栽時から7年目まで有意な処理間差はなく、植栽から8年目(2021年)には施肥区で326cm、無施肥区で319cmであり、施肥区で有意に大きかった(p=0.04)ことから、カリウム施肥はヒノキの成長に悪影響をおよぼしていないと考えられる。針葉のセシウム平均濃度は、施肥3回区では、施肥停止1年後の2017年から高まったが、施肥停止から6年経過した2022年でも無施肥区の約1/3にとどまり、セシウム吸収抑制効果は弱まるものの持続していた。施肥7回区では施肥停止から2年経過した2022年でも針葉のセシウム平均濃度の上昇がみられず、無施肥区の1/8だった。施肥3回区が施肥停止から2年経過した2018年は無施肥区の1/4だったことから、施肥回数が多いと施肥停止後にセシウム吸収抑制効果が持続しやすいと考えられた。
著者氏名 ○長倉淳子1 ・ 小松雅史1 ・ 平井敬三1 ・ 眞中卓也1 ・ 久保田拓也2 ・ 遠藤宏之2
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林整備センター
キーワード 施肥, ヒノキ, 養分バランス
Key word fertilization, cypress, nutrient balance