第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T3. 樹木根の成長と機能[Development and function of tree roots]

日付 ポスター発表
会場名 (学生ポスター賞の審査対象)
講演番号 P-489
発表題目 カラマツ苗木の根切りで代替した直根の伸長成長に及ぼす土壌硬度の影響
Effect of soil hardness on elongation growth of tap roots replaced by root prunings in Japanese larch seedlings
要旨本文 根切りは植栽の作業負担の軽減や活着促進のために行われている。根切りで残された主軸の切断部付近からは側根が新たに発生して主根を代替するように下方へ成長する。しかし、側根から発達した直根は本来の主根に比べて起源が異なるために下方成長が劣る可能性があり、特に堅密な土壌条件では、その性質が顕著に現れることが懸念される。 本研究は、カラマツの1年生苗木を対象に、根切りによる直根の下方伸長と土壌硬度の関係を明らかにした。実験には、直根の生育土壌の硬度を操作できる2重構造の自作ポットを用いた。用土は黒土で、土壌硬度は山中式硬度形で1.5~29㎜であった。実験は2021年と2022年の2回の反復で、1回目の土壌硬度は1.5~18㎜、2回目は13~29㎜であった。2回の実験を通じて土壌硬度が大きくなると下方成長は小さくなった。またやや堅い(13~18㎜)土壌において成長量にバラツキが大きく、1回目の実験では代替主根の下方成長は直根に比べて有意に小さかった。しかし2回目の実験では有意差が認められなかった。今後、バラツキの原因を解明することで、根切りの影響が明確になると考えられる。
著者氏名 ○石田将一朗1 ・ 斎藤秀之2 ・ 柏木淳一2 ・ 宮本敏澄2 ・ 渋谷正人2
著者所属 1北海道大学大学院農学院 ・ 2北海道大学大学院農学研究院
キーワード 根切り, 土壌硬度, 直根, 伸長成長, カラマツ
Key word root prunings, soil hardness, tap root, elongation growth, Japanese larch