第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

S5. ポスト2020生物多様性枠組(GBF)における保全と利用の相克と科学政策対話の役割[Conservation and Sustainable Use in Era of Post-2020 Biodiversity Framework: Designing Map, Indicators and Incentives as Boundary Objects]

日付 2023年3月26日
開始時刻 9:00
会場名 Room 3
講演番号 S5-7
発表題目 多面的機能の観点からOECM候補となる農地を推定する
Predicting the potential OECM zone based on ecosystem functions
要旨本文 OECMは、自然公園等の保護区に含まれていないが、生物多様性を効果的かつ長期的に保全しうる地域を指し、30by30達成に向けた鍵と考えられている。環境省が進める日本版OECMである自然共生サイトでは、2022年度に試行が行われ、前期23、後期33サイトが仮認定された。認定サイトの管理者は国内の有力企業から基礎自治体、NPO等、様々な主体が含まれ、今後の発展が期待されている。ただし、現状では少なくともOECM認定に対する直接的な経済的インセンティブは存在していない。このことは、有力企業等が複数地域を申請し、認定の総面積を増加させるインセンティブが欠けていることを示唆し、30by30に求められる“量”を確保する上で障壁になりうる。この状況に対し、“量”が確保されることによって社会的なベネフィットが増加するエビデンスを提示することができれば、より様々な主体が、より大面積のOECM認定を目指すインセンティブになるかもしれない。そこで本講演は、農地が持つ食料生産以外の機能:多面的機能のうち、近年特に社会的なニーズが高い防災・減災機能の担保を目指して農地を保全することが、”結果”として生物多様性の保全に貢献できる可能性を提示したい。
著者氏名 ○大澤剛士
著者所属 東京都立大学
キーワード 多面的機能, 生態系を活用した防災・減災, 流域治水
Key word Multiple functions, Ecosystem based Disaster Risk Reduction, Basin management