第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T3. 樹木根の成長と機能[Development and function of tree roots]

日付 2023年3月26日
開始時刻 9:45
会場名 Room 6
講演番号 T3-2
発表題目 粗根と細根を対象とした直径別の根現存量分布:地下1mの世界
Distribution of root biomass by diameter for coarse and fine roots in underground world
要旨本文 本研究は針葉樹林の土壌深さ1mまで掘り取り、粗根(>2.0mm)と細根(≦2.0mm)すべての現存量の垂直分布の定量調査から、土壌深度における各直径階級の分布パターンおよび樹種による差異を明らかにすることを目的とした。対象樹種は成木のアカマツ・ヒノキ・スギとし各対象個体の近傍に土壌断面を作成した。粗根はトレンチ法、細根はブロックサンプリング法を用い、機能を細かく見るため直径0.5mm未満・0.5-1.0mm・1.0-2.0mmに分類して測定を行った。結果、粗根現存量はスギ・ヒノキ・アカマツの順に多く、根現存量の8割以上が粗根であった。細根現存量はヒノキ・スギ・アカマツの順に多かった。全樹種で土壌深度に応じて現存量が減少したが、最下部90-100cmでも根は存在した。アカマツは他樹種よりも直径0.5mm未満の根現存量の割合が深層で高かった。ヒノキは直径が細い根ほど表層により多く分布し、特に0.5mm未満の根現存量の約半分が0-10cm深度に存在した。スギは1.0-2.0mmの根現存量が多く、直径が大きいものほどより深層に分布した。表層土壌だけでなく、貧栄養な深層に存在する根系の機能を評価でき、根現存量の垂直分布は樹種による特徴を持つ。
著者氏名 ○朝倉知佳 ・ 坂下凜 ・ 細井彩 ・ 牧田直樹
著者所属 信州大学理学部
キーワード 土壌深度, 根の垂直分布, 地下部炭素量, 根形態, 針葉樹
Key word soil depth, vertical distribution of root, underground carbon stock, root morphology, conifer