第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

S12. 広葉樹林化を進めるためには何が必要か[How can we encourage the regeneration of broadleaf trees in conifer plantations?]

日付 2024年3月8日
開始時刻 9:00
会場名 342
講演番号 S12-4
発表題目 日照条件からみたスギ・カラマツ人工林の伐採幅の検討
An examination of the cutting width of planted forests in relation to sunlight conditions
所属 公益財団法人日本自然保護協会
要旨本文 本研究は,人工林を伐採し効果的に自然林に復元する手法を把握するため,伐採幅の異なる帯状伐採後の初期遷移群落と光環境との関係を明らかにすることを目的とした。調査地は群馬県みなかみ町の赤谷プロジェクトエリア内の冷温帯下部のスギ人工林間伐試験地(伐採幅4m,6m)及びカラマツ人工林漸伐試験地(伐採幅20m,30m,40m)に設置した。漸伐試験地では,伐採後,伐採幅によらず再生群落の樹高は時間の経過とともに高くなり,幹数密度は、急激に増加しその後は減少した。南側の植栽木による被陰の影響を考慮して4月から9月までの着葉期における伐採幅ごとの積算日照時間の推移モデルを構築し,拡張相対成長式から推定された上限樹高を比較したところ,積算日照時間と樹高はよく対応することがわかった。人工林の伐採では、南側の林分の被陰による影響を考慮する必要があることが示唆された。幅の狭い列状間伐で光を確保したい場合、南北方向に伐採すること、東西方向の列状伐採を行う場合は保残木の樹高以上の伐採幅をとること、伐採幅を大きくしたい場合、方向や幅を調整することで光制限を行い先駆種や萌芽再生を抑制することなどが考えられる。
著者氏名 ○朱宮丈晴
著者所属 公益財団法人日本自然保護協会生物多様性保全部
キーワード 伐採幅, 光条件, 自然林復元, 積算日照時間, 赤谷プロジェクト
Key word Cutting width, Sunlight condition, Natural forest restoration, Accumulated sunshine hours, Akaya project