第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
S4. 2020年農林業センサスデータが捉える日本林業の現状[What does the 2020 census of Agriculture and Forestry tell us about the current state of Japanese forestry?]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | 9:00 |
会場名 | 431 |
講演番号 | S4-2 |
発表題目 | 個票データに基づく林業経営体の参入・退出の地域差に関する分析 Analysis of regional differences in the entry and exit of forestry management entities based on microdata |
所属 | 株式会社農林中金総合研究所 |
要旨本文 | 本報告の目的は、2015年および2020年の農林業センサスの客体候補名簿を含む個票データを用いて、2020年に参入・退出した林業経営体の特徴を、地域差も踏まえながら分析して明らかにすることである。2015年は林業経営体であり、2020年に林業経営体の要件を満たさずに退出した客体は59,898であり、そのうち7割が3ha以上の山林を保有する林家に転じた。一方、2020年に新たに林業経営体として参入した客体は6,615で、9割が法人でない形態である。参入・退出を林業経営体の増減率と見なした場合、北海道、岩手県、岐阜県、広島県で寄与度が高く、また、2020年の農業経営体に占める退出した客体かつ2020年に農業経営体である割合が高い地域と一致する。これは、一部の地域で農業と林業の経営資源配分に変化が生じた可能性を示唆する。また、2020年時点の年齢で林業経営体の世帯主平均年齢を比較すると、退出した林業経営体は73.5歳で、維持した林業経営体よりも1.7歳、参入した林業経営体よりも2.6歳それぞれ高い。多くの地域で林業経営体は若返ったが、高齢化が進んだところもある。今後は、農業経営にも留意し、参入・退出や地域差の要因を明らかにする必要がある。 |
著者氏名 | ○多田忠義1 ・ 林宇一2 |
著者所属 | 1農林中金総合研究所 ・ 2宇都宮大学農学部 |
キーワード | 農林業センサス, 個票データ, 林業経営体, 地域差 |
Key word | Census of Agriculture and Forestry in Japan, microdata, forestry management entity, regional differences |