第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

林政部門[Forest Policy]

日付 2025年3月21日
開始時刻 11:30
会場名 大講堂
講演番号 A-10
発表題目 岩手県久慈地方におけるアカマツ林の施業と植物の多様性
Forest Management and Plant Diversity of Red Pine Forests in Kuji District, Iwate Prefecture, Japan.
所属 京都大学大学院
要旨本文 アカマツ林は、1960年代頃からの燃料革命や松くい虫被害の拡大によって全国で急速に面積が減少しているが、日本の生物文化多様性を考える上で重要な樹種である。岩手県久慈地方には松くい虫被害が及んでおらず、天然林を含むアカマツ林が豊富に存在する。本研究では、久慈地方におけるアカマツ林を対象にした施業の現状を把握するとともに、アカマツ林の施業形態や管理と植生との関係を明らかにすることを目的とした。久慈市地方ではアカマツ林を対象とした国有林や民有林での施業が全域で行われていた。アカマツは用材や木質バイオマス燃料などとして利用され、伐採後は天然下種更新や植栽によるアカマツ林の再造林がなされていた。一方、カラマツや広葉樹に樹種転換される林分も多く存在した。植生調査として、100m2の調査区を20箇所設定して毎木調査を行うとともに、1調査区内に1m2の小調査区を4つ設定し、林床植生を調査した。毎木調査では、アカマツの保護林や天然下種更新後に施業が行われていない林分でコナラなど多様な広葉樹が混交する傾向が見られた。林床調査では、植物の種数が調査区の立地や管理状況により異なることなどが確認された。
著者氏名 ○古市智紀1 ・ 王聞2 ・ 中村華子3 ・ 橋本優花1 ・ 深町加津枝4
著者所属 1京都大学大学院地球環境学舎 ・ 2株式会社本田技術研究所先進パワーユニット・エネルギー研究所 戦略企画室 ・ 3金沢大学先端科学・社会共創推進機構 ・ 4京都大学大学院地球環境学堂
キーワード アカマツ, 生物多様性, 久慈地方, 資源利用
Key word Japanese red pine, Biodiversity, Kuji area, Resource use